6月14日(水)午前10時から断続的に約22時間にわたって開催された参議院本会議が、15日(木)午前7時46分、いわゆる共謀罪法案の強行採決で終わりました。
参議院ではまだ審議の途中であり、審議を重ねるごとに答弁が二転三転、一般人も対象になることが明らかに
なるなど、不安は増大していました。
何より問題は、委員会での審議が途中段階であった昨日、いきなり本会議に「中間報告」を求める動議が提出され、強行採決に至ったのです。
本来、国会での審議は、委員会にて行われます。各委員会にて十分に審議を尽くし、採決を行い、その後、本会議で最終的な賛否を決する中、特に緊急を要すると認めた場合に限り、例外的に認められるのが「中間報告」です。
これまで、ほとんど例がなく、ここ20年で数例、しかも、極めてまれな場合のみです。
今回の場合、会期がまだ残っている上、15日がまさに委員会定例日なので、十分に審議ができました。なぜ、こんなに急ぐのか。こんなに乱暴なのか。
審議不十分なまま、委員会での審議をすっ飛ばし、禁じ手に出る。国会、とりわけ参議院の役割を参議院議員自らが否定するものであり、あまりの不意打ちに驚きと怒りで手が震える思いです。
直接テロとは関係のない事案がこの共謀罪の対象となり、あらゆるところに監視の目が光り、危ない、と目をつけられれば、たちまち捜査の対象となります。
今、私たちが思っている以上に、我が国は危険な方向に進み始めています。このあり様は異常です。
加計学園の問題で言えば、総理のご意向による利益誘導も大きな問題ですが、それ以上に、意を決して不正を告発した人に対して、個人情報を集め、それをリークし、マスコミに流し、人格攻撃を行う、義家文部科学副大臣は、省内の内部情報が流出していることに関し、場合によっては国家公務員法違反、処罰の対象になり得る、という発言もしています。知り合いを優遇する一方、意に沿わない人は徹底的に貶め排除する。怖い世の中です。まさに物言えば唇寒し。だからご機嫌を伺うように「忖度」が
横行するのです。
その総仕上げが共謀罪法です。これからも問題点を共有、発信していきます。