3月16日に開催された予算委員会集中審議(テーマは新型コロナウィルス対応等現下の諸課題)で、安倍総理はじめ関係大臣に質問しました。
質疑の概要をまとめましたので、是非ご一読ください。
コロナ以前から景気は既に下り坂
新型コロナウィルス感染症の拡大により、世界同時株安の様相を呈している金融市場の混乱や実体経済の悪化を指摘した上で、安倍総理の景気への現状認識を質しました。
また、経済指標の悪化について、パネルを使って具体的に示し、そもそも感染発生以前の昨年から日本経済が赤信号状態であったことを厳しく指摘しました。
その上で、不景気下での消費増税でとどめが刺された状況にあったことを認めて、「極めて厳しい」という認識に立たない限りは、今後、正しい経済対策を打つことはできないと、安倍総理に強く釘を刺しました。
税金を使う以上、政策の効果分析を
消費増税による反動減対策として実施中で、コロナ関連の緊急経済対策として期間延長が取り沙汰されるキャッシュレス・ポイント還元事業について、所得格差や地域格差の拡大の懸念があることを指摘しました。
また、事業延長の是非の判断には、税金投入(約7千億円)の費用対効果の検証が必須である旨を指摘したところ、安倍総理から、検証を約束する答弁を得ました。
甘すぎる税収見込額の再考を
令和元年度補正予算で2兆円もの税収減額補正が行われた点からも、「過去最高の税収」と謳う来年度予算案が非常に甘い見通しによるものであることを指摘し、税収見込額算定の根拠を麻生財務大臣に質しました。
その上で、税収減が地方交付税の配分に影響して、地方にしわ寄せがいくことがないように、慎重な対応を求めました。
休校要請、イベント自粛の出口戦略を
いつまでこの状況が続くのかという国民の不安に応えるために、休校要請やイベント自粛を終えるまでの「出口戦略」を明確にすべきことを訴えました。
安倍総理からは、明確な時期の言及は避けたものの、「専門家の意見を聞いて判断していく」旨の答弁がありました。
「全て補償」という明確な宣言を
政府の自粛要請で先行き不透明にも関わらず、具体的な対応策は後回しです。
自営業者やフリーランス、楽団、劇団、文化活動の関係者をはじめ、多くの皆様から不安の声が上がり、突然の内定取消しに悩む学生もいることを訴えました。
「全て補償する」「安心してくれ」との明確なメッセージが重要であり、早急な具体策実行を求めました。
経済的損失の把握と大胆な対策の実行を
政府の自粛要請による経済的損失を試算しているかを尋ねたところ、「算出していない」との危機感に欠ける答弁でした。
諸外国が兆単位の対策を既に打ち出し、日本でもリーマンショック後は12兆円もの財政措置を講じていたことを指摘した上で、融資にとどまらず、減税や現金給付、支払猶予など、迅速かつ大胆な対応を求めました。
森林環境譲与税の配分基準見直しを
森林面積がほぼゼロで、林業費支出がゼロの大都市(横浜市、大阪市、名古屋市)が、譲与額で全国トップテンに入っている実情を指摘しました。
森林環境譲与税を自治体に配分する基準で、人口が3割とされていることが要因であり、「森林の整備及び促進」という制度目的に適った支出となるように、譲与基準の見直しを迫りました。
これに対して、高市総務大臣から、「附帯決議も踏まえて、施策の実施状況を見極めて見直しを検討する」旨の答弁を得ました。
大和堆違法操業、現場の窮状を訴える
日本海、特に大和堆周辺の外国船による違法操業の影響もあり、イカ漁の水揚げが激減している問題について、政府の対応を質しました。
水産庁の取締船や海上保安庁の巡視船による警告、放水に頼るのでは全く不十分です。
外務省から関係国に対して、違法操業の指導・取締りを働きかける他、内閣に設置されている総合海洋政策本部が危機感を持って対応するように、本部長である安倍総理に求めました。
質疑の様子は下記の「参議院インターネット審議中継」のページで、録画をご覧いただくことができますので、是非ご覧ください。
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/…