今回の国民民主党と立憲民主党の合流を巡る私自身の対応について、決断に至った内容とその理由について、ご報告申し上げます。
これまで私は、無所属ながら、参議院では「国民民主党・新緑風会」の一員として活動してきましたが、9月3日、熟慮の末、合流新党には参加をせず、参加できなかった仲間の議員とともに活動することを決めました。
その理由は、与党に対峙する「大きな塊が必要」との総論には賛成だったものの、①その前提となる「何を目的にするのか」「組織の基本理念は何か」といった、共通の旗印が見えなかったこと、②合流に向けての合意形成において、内容や手順など両党間に不整合な点、調整不足の点があり、最後まで納得のいく形での合流とはならなかったこと、によるものです。
例えば、民間労働組合出身の議員から提起された「原発ゼロ」の記述を巡る意見は、「原子力エネルギーに依存しない原発ゼロ社会を一日も早く実現」するという政策の中身に異論を唱えるものではなく、党の基本方針を示す綱領(組織における憲法のようなもの)に入れるのは不適当ではないか、という問題意識によるものでした。それを全く汲んでくれなかったのは残念であり、多様な意見や個別の事情に対する懐の深い配慮があって然るべきだと思います。
結果として、私も、トップダウン型が行き過ぎた政策決定のあり方についても不安が拭い切れなかったことから、今回の合流を決断することはできませんでしたが、今後、それぞれの党が、多様な意見の受け皿として機能する民主的で国民に開かれた組織へと発展することが、「大きな塊」という次の目標につながると信じています。
その上で、今までは国民民主党と無所属議員(新緑風会)による同一会派「国民民主党・新緑風会」の一員として活動してきた中、今後、これまでどおり、無所属で引き続き同一会派として行動するべきか、入党するべきかを熟慮した結果、無所属のままではなく、新国民民主党へ参加することを決断しました。
その理由は、①国会は政党政治を基本としており、②コロナ危機を経験した今こそ、新たな社会像の提示が必要であり、③政党の中で政策を磨き、提案する役割を担うことこそが、国民の皆様の負託に応える道にも直結すると思うからです。
これまで、無所属で、会派所属のみでも発言や政策実現の機会があったのは、会派を組んでいた政党の一定の組織力という背景あったからこそであり、規模が小さくなる中で、埋没せずに議会活動を行うためには、新たな政党に立ち上げから関わり、そこで研鑽を積みながら、存在感を発揮して、政策立案や発言の機会を得、発信していくことが必要だと考えています。
とりわけ、議員生活10年という責任世代に差し掛かった私にとっては、政党がゼロから立ち上がる今、新党に参加して主体的に政党を発展させるために力を尽くすことこそが、今なすべき使命だと考えています。
そしてその中で、闊達な意見交換の中で政策を磨き、提案し、実現に向けて中心的に関わっていくことは、ご支援頂いている皆様の思いに応えることにもつながるのではないか、と思います。
政党に入ることで、今までの私自身の主義主張や立ち位置を変えるつもりは全くありませんし、これまで皆様と一緒に築き上げて来た友好関係や野党共闘を破棄するつもりもありません。そもそも、野党共闘とは、どの党や組織に所属していても、その違いを乗り越えて大きな目標のために団結する、という党派や立場を超えた共闘の枠組みであり、無所属の立場でなければそれが実現できないというものではありません。
今後とも、地元での活動を通じて、皆様の思いをしっかりと受け止めて、その実現に向けて、国会において全力で取り組んで参ることをお約束します。
2020年9月15日
参議院議員 舟山康江